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1.10*観劇レポ「ボニー&クライド」観てきました!!! [観劇レポ:ボニー&クライド]

ミュージカル「ボニー&クライド」
2012年1月10日(火)マチネ
@青山劇場
S席1階XB列センターブロック内下手寄り

*cast*

ボニー: 濱田めぐみ
クライド: 田代万里生
バック(クライドの兄): 岡田浩暉
ブランチ(バックの妻): 白羽ゆり
テッド(ボニーの幼馴染の保安官): 中河内雅貴

ヘンリー(クライド父): 中山昇
シモンズ刑務所長: 芝崎健太
クロウソン看守: 戸室政勝
ジョンソン保安官代理: ヨウスケ・クロフォード
ファーガソン州知事: 徳垣友子
アンジェラ: 家塚敦子
クレア: 保科由里子
エレノア: 宇野まり絵
キャミー(クライド母): 明星真由美
ヘイマー特別捜査官: 岸祐二
牧師: つのだ☆ひろ
バド保安官代理: 戸井勝海
エマ(ボニー母): 池田有希子
シュミット保安官: 木場勝己



もう本当に、2列目の真ん中というすごく近くで…
最初に濱田さんが出ていらしただけで「また舞台に立つ濱田さんにお会いできた…!」
という感動で、涙が出てきてしまいました…

歌唱力ももちろん健在…なんていうものではなく
昨日の記事にも書いたこの動画(⇒http://youtu.be/YK9BqPloEU4 )にもある、
「先の見えない世界」でhi-Gを楽々地声で出してしまうだけでなく、
どれだけパワフルに声を張りあげて歌っても
決して割れることなくぐんぐんと響いていき、
バラードでの静かに歌う高音域も本当に美しくて、
ずっとずっと聴いていたいほどでした。

濱田さんが、圧倒的な歌唱力をお持ちだということは言うまでもないのですが
更にパワーアップされていたように感じました。

そして演技も…
もちろん、一回りも違う万里生くんとの年齢差が全く気にならなかった
と言ったら嘘になりますが、それを上回る演技力がさすがでした。

ボニーは「有名になりたい!」と無邪気に女優に憧れ、
無邪気で純粋だからこそ「悪いことがカッコイイ!」と
誰でも持ったことのある気持ちからクライドに惹かれていき、
やがてそれが本当の愛に変わっていくという様子…
全てに共感ができました。

何より、濱田さんが1番お得意なのでは?と私が勝手に思っている(笑)、
哀しみ・苦しみを表現するシーンや歌は
「女優・濱田めぐみさんがボニーの苦しみを表現している」のではなく、
そこに本当にボニーパーカーという女性がいて
「クライドに本当に会いたくて会いたくて苦しんでいる」
「クライドともし別れるくらいなら死んだ方がマシと切々と訴えている」
ようにしか見えないほどでした。

「アイーダ」のときのように、
観客にこれがお芝居だということを忘れさせちゃうような…
そんな圧倒的な表現力に心が震えました(;_;)


「人は愛する人を愛す」は、
愛しても“普通”の幸せは得られないバロウ兄弟を愛してしまった
ボニーとブランチ、二人のデュエットナンバーですが
二人の声が綺麗に溶け合って美しく、
そのあとのソロのリプライズでは濱田さん、
本当に文字通り「滂沱の涙」を流しながらの熱唱でした。


また、下にリンクするチケットぴあのニュース記事にも書いてあるのですが…

「新しい出発」元劇団四季の濱田めぐみ、主演ミュージカルが開幕
http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201201100009

2幕でクライドの兄(バック/中河内雅貴さん)の奥さん(ブランチ/白羽ゆりさん)に
「クライドは捕まったら殺されてしまう!あなただって!本当は恐いはずよ!」
と、隠していたけれど本当はボニーだって
持っていたに違いない本心を言われ、磨いていた銃を置き、
歌いだすバラード『死ぬのもそれほど悪くない』は、
Youtubeにアップされている製作発表の時よりも歌い込まれているというだけでなく、
痛いほどに目の前から感情がビンビンと伝わって来て、本当に切なかったです。
感動した、というより圧倒されました。

まだ開幕して間もないので、ほとんどのナンバー後の拍手は
「ここで拍手..して…いいのかな…?」
って客席ためらいがちな拍手だったのですが、
この曲のあとは後奏が鳴りやむ前から自然に拍手が沸き起こりました[ぴかぴか(新しい)]

まさに、上の記事にあるように
『情感たっぷりのバラードナンバーで濱田めぐみここに健在、といわんばかりの熱唱、劇場空間を圧倒していた。』
凄まじかったです!!!

濱田さんご自身も、終演後のアフタートークイベントで
1番すきなナンバーにこの曲を挙げられていました。
その話はまた後ほど[ハート][ぴかぴか(新しい)]


と…
とにかく、濱田さんは本当に素晴らしかったのですが…
作品自体がすごくすごく長くて…。

まあ、14:00開演で17:05終演だったので
ウィキッドなどと比べてそこまでべらぼうに長いわけではないのですが、
1幕はすべて照明が消えてガラガラガラーっとやる昔ながらの暗転が多く、
曲も「ここでこれ、いる…?」みたいな長い歌が何曲もあったり..と、
90分が時間以上に長く感じてしまいました。
1幕終わりは「終わったの?」とあいまいな感じで微妙な雰囲気でしたし。

かと思えば2幕は、辻褄合わせのような感じがしないでもなく[あせあせ(飛び散る汗)]

また、上記のぴあの記事に書いてある
『悲劇的なシーンでもカッコよくスウィング・ジャズ調の楽曲がかかるなど、作劇的にも面白い。』
は、正直面白くないよ…って思いました。


たとえば、ブランチはバックを心から愛していて、
「バックにはクライドのように破滅の道を歩んでほしくない」
「貧しくても、逃げも隠れもせず一緒に生活できるだけでいい」
と本当に願っている女性だということは全編を通して観て分かったのですが、
最初、クライドといっしょに脱獄してきたバックに
「刑期を終えて、まっとうな生き方をするために刑務所に戻って」
と願いブランチが歌うシーンは、本当にブランチはそう望んでいるのに
「ケイムショにっ もどりなっさぁああ~い♪」
というポップでふざけた雰囲気の歌で…(笑)

私はその音楽の感じから、
ブランチも実はバックが脱獄して戻って来てくれたことを喜んでいて、
クライド派なのかな、って間違った解釈をしてしまいました[がく~(落胆した顔)][あせあせ(飛び散る汗)]


そんなわけで、演出と作品にはあまり満足はできませんでしたが
濱田さんをはじめとする出演者の方たちは素晴らしい方が多くて
「ボニクラ」に感動した、というよりは
俳優さんたちのお力に感動させてもらいました[るんるん]


お人形さんのように美しい白羽ゆりさんは、美しいだけでなく
セリフの声も舞台のひと!という感じのお声で演技もすごく好みでした。
高音は裏声になってしまう感じで地声が響く方でしたが、
全てが安定していらっしゃいました。

お相手のバック役の岡田浩暉さんは、
ほんとにはっちゃけて明るく超好きなキャラでした!
万里生クライドが、
「おい見ろよ今日の新聞!新聞!…(ズボンのポケットをめちゃめちゃ探しながら)
あれ…新聞どこだ?(←素)…あっあった!新聞!これ見ろよ!」
ってなったときに(四季じゃありえませんね笑)、
「びっくりさせんなよ…」って言ってましたヽ(^o^)丿
夏のブロードウェイミュージカルライブでも拝見して、
歌のお上手さも知っていましたし、今回かなり好きになりました[黒ハート]

テッド役の中河内さん、初めて拝見しましたが
テニミュ出身なんですね!どおりでイケメン!
歌も演技も申し分なくセリフもお上手[るんるん]
あっ…ツノダさんとアンサンブルさん以外は、
全然歌詞やセリフ、大丈夫でした[わーい(嬉しい顔)][手(チョキ)]

ツノダさんって、有名なひとだって母は言ってましたけど私は初めてお名前聞きました。
控えめに言って、ほんとにジャイアン歌唱でおひとりだけ場違いでした。


そして、濱田さんともうひとりのタイトルロールの田代万里生さん!!!
いやああ~[ぴかぴか(新しい)]
よかったです!!!

あの音域の広~~~~いロック調の曲を、
藝大で、バリバリクラシック出身の方があれだけ喉声も使いつつ歌うのが
どれだけ大変か…もうあっぱれでした!
しかも経歴、3歳からピアノ、7歳からヴァイオリン、13歳からペット、
15歳から声楽家の父から声楽を..って半端ないですね!
マリオデルモナコからお名前とってるなんて…
もう生粋の音楽一家なんでしょうね!軽く嫉妬です(笑)

基礎と音感があるからこそ、あれだけ喉を使っても潰さず、
クラシックが耳慣れていると妙に感じる現代的な音程でも完璧にとれるんでしょうね(>_<)[ぴかぴか(新しい)]
素晴らしかったです!
ただ、あとほんの少し、ロック調の速い曲で「いまなんて言った…?」
って感じがないと嬉しかったです(^_^;)


予想外にラブシーンが多くてビックリしたり、
どしょっぱつ、ボニーが紺のスリップドレス1枚になったときや
「ご親切をありがとう」のセリフにドナを思い出したり、
「ボニー・パーカー」と「ポリー・ベーカー」って似てるなあと思ったり
濱田さんが「永遠」を「えええん」ではなく「えいえん」と言っていることに
寂しさを感じたり、もしました(笑)


そして終演後、カーテンコールが終わって5分もしないうちに始まった
「アフタートークショー」のゲストは、
まだボニーの扮装のままの濱田さんと、演出家の田尾下哲さん。
お二人はなんと同い年だそうで、
濱田さんは田尾下さんのことを「てっちゃん」と呼んでいました(笑)

テレビ朝日のアナウンサーの方が司会で進められました。
覚えている限り、濱田さんへの質問と答えを書きますね[黒ハート]

なんか、アナウンサーさんがやたら濱田さんの金髪に対して
「抵抗はなかったのか」「日本でそれで暮らすのは大変じゃないか」とか
何回も聞きまくって客席失笑のときも…[あせあせ(飛び散る汗)]
最終的に濱田さん、
「原宿とか下北沢とか…行きませんけど、そういうところには
金髪のひとたくさんいると思うので大丈夫です」って締めてました(笑)


Qボニーという実在した女性を演じるのは難しかったですか?
濱田さん:すごく掴みどころがなくて、「どうしてこんなにつかめないんだろう」と思い
苦労したけれど、その掴みどころのなさが彼女の人生だったと思います。
段取りをつけて、ある目標に一直線!ではなく
いろいろなことがあるその瞬間瞬間を全力で生きていた女性。
だから私もクライドの万里生くんと交流をして、段々分かるようになりました。
今も、そのときどきのリアリティをもって
彼女の人生を生きられたらと思っています。

いつも実在の人物を演じるときは、
その文献を読んでそのひとのことを知って
「彼女だったらどうするんだろう」ということをよく考えます。
そこに濱田めぐみの意見が入ったらそれは彼女の人生じゃない。
そういうことをやってから、その後に台本があるっていう
2段階のフィルターを必ず通すようにしています。


Q演出家の意見を聞いて分かりました、と役を作っていくタイプですか?.
それとも「こうしましょう」っていっしょに作っていくタイプですか?
濱田さん:それはその時によります。
意見を聞く段階の時と、いっしょに作っていく段階はまた別ですから。

(そりゃこれまでは…ry)


Qダメだしとか、どんな感じなんですか?
濱田さん:てっちゃん(笑)は「ここがダメ」とかじゃなく、
とにかく「ここよかったよ」って誉めて下さるし、
「ここはこうした方がいいんじゃない?」ってアドバイスをくれる感じなので
もうむしろどんどん言って下さいって感じです!


Qすごくいい曲が多いですよね。1番好きなナンバーはなんですか?
濱田さん:英語で言うとDyin' ain't so bad…
「(軽く)♪ひとりきり~残されるよりも♪」が好きです。
もちろん歌の指導もしてもらって、練習もしましたけど、
(開幕して)客席にお客さんが入って頂いて歌うようになってから気付いたのですが
歌っていると、私と客席のその空間の間がキラキラ光輝いて見える。
もう歌っているとかの意識はなく、
私はただ音楽に乗っかっているだけという感じになれる。
お客様との間で毎回違う色が見えて、
銃を置くタイミングや前に出るタイミングなんかも違ってくるし…
お客様と一体となって高揚して、このナンバーが出来上がっています。


Q最後にメッセージをお願いします。
濱田さん:今日は本当に観に来て下さってありがとうございました。
私はいつも舞台を観に来て下さっているお客様は
3時間とか…今日ならこのトークショーも入れたら4時間とかを使って頂いて、
私はみなさんにその3時間強をお借りしていると思っています。
時間は戻らないし、それこそお金より何より大切なものだから、
「お客様からお借りするこの大事な時間を、少しでも有意義に、
いい時間にすることができますように」と毎日祈ってから舞台に上がっています。
22日の千秋楽まで私も田尾下さんも万里生くんも
岡田くんも白羽ゆりちゃんも、
みんな、色々なアイデアを出して
もっともっといい時間を過ごしてもらえるように進化していくと思うので
ぜひまたいらしてください。ありがとうございました」

**

ほんっとにだいたいのニュアンスです!コンパクトにまとめました!
素の濱田さんって初めて生で見たので見とれていたら
田尾下さんのQ&Aは忘れちゃいました…


トークショーにも参加して、
新たな出発をした濱田さんの輝いている姿を見て、
これからは四季でなくても華々しく活躍してくださるんだろうな、
となんだか安心しました[黒ハート]

1.13.jpg

とりあえず、ひたすらリピート(笑)

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コメント 2

切なく強いヒロイン憧れますね・・

初コメントです。私も先日観て来ました。濱田さんは勿論でしたが、テッド役の藤岡さんの歌声が素敵でした。トークショーの日は行けなかったので、詳しく内容を教えて下さってありがとうございます。濱田さんが大好きなので、ジキル&ハイドも行く予定です。
by 切なく強いヒロイン憧れますね・・ (2012-01-22 03:44) 

-aime-

>
はじめまして、コメントありがとうございます♪
藤岡さんのテッドは1度しか見れませんでしたが
ほんと、魅力的な歌声でした!
ただ、私は中河内さんのビジュアルが好みです(笑)

ジキハイも楽しみですね(#^.^#)
by -aime- (2012-01-22 21:41) 

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